皆さん、お疲れ様です。
本日は、JSTQBの概要や、試験勉強、シラバスについて述べたいと思います。
■JSTQBについて
JSTQBは、以前の記事でも記載したように、ソフトウェアテスト技術者の資格認定団体となっています。
上記団体で展開されているシラバスは、日本に限らず、海外にも有効なソフトウェアの情報がまとめられています。
ソフトウェアテストを学ぶ上で、非常に重要度が高く身につけておきたい内容となります。
また、JSTQBの資格(Foundation)は、テスト業界の就職、転職にも後押しとなります。
企業によっては、資格を持っているだけで、手当がつくケースもあります。
JSTQBの内容を学習することは、メリットはあれど、デメリットはほとんどありません。
すでに知っている方はより理解を深め、ご存じない方は、是非学習することをお勧めします。
■JSTQBの資格試験について
JSTQBでは、主に年に2回、テスト技術者資格試験が開催されています。
今年((2020年)の夏の試験は、残念ながらコロナウィルスの影響のため、中止となりました。
・JSTQB認定テスト技術者資格試験実施要項:
http://jstqb.jp/attribute.html
冬の試験は、翌年2月あたりに実施されると思いますので、JSTQB Foundationの資格を取得したい方は、今からでも勉強を進めていくことをお勧めします。
私も、Foundationではありませんが、テストマネージャーのAdvanced Levelを翌年2月に受ける予定です。
■JSTQBの勉強方法について
JSTQBの勉強方法としまして、主に以下シラバスの熟読、及びFoundationレベルでは問題集も出版されています。
通称、青本と呼ばれています。
□JSTQB Foundationシラバス
JSTQB Foundationのシラバスは、以下のリンクからダウンロードできます。
・URL:http://jstqb.jp/syllabus.html#syllabus_foundation
・FLシラバス:
ISTQBテスト技術者資格制度Foundation Level シラバス 日本語版 Version 2018V3.1.J02
□JSTQB Foundation 教科書、問題集
ソフトウェアテスト教科書 JSTQB Foundation 第4版 シラバス2018対応
・他問題集書籍 URL:
[改訂版]演習で学ぶソフトウェアテスト 特訓150問――JSTQB認定テスト技術者資格 Foundation Level対応
以上のFoundationシラバス、教科書第3版、上記問題集を繰り返し熟読、
問題を解きながら理解を深めていくことがベストです。
私自身、過去にFoundation Levelを受けて上記勉強でまぐれかもしれませんが、合格致しました。
■JSTQB Foundation Levelシラバスの概要につきまして
シラバスは大きく分けて以下のようにまとめられています。
・1.テストの基礎
・2.ソフトウェア開発ライフサイクル全体を通してのテスト
・3.静的テスト
・4.テスト技法
・5.テストマネジメント
・6.テスト支援ツール
今回は、順を追って「1.テストの基礎」のポイントとなる部分を述べていきたいと思います。
■「1.テストの基礎」について
シラバスでの「テストの基礎」は以下の構成となっています。
・1.1テストとは何か?
・1.2テストの必要性
・1.3テストの7原則
・1.4テストプロセス
・1.5テストの心理学
□1.1テストとは何か?
ここでは、ソフトウェアシステムに関するテストの概要、目的など記述されています。
1.1.2では、テスト、デバッグ違いについても記述されています。
・テスト:ソフトウェアに存在する欠陥に起因する故障を見つけること
・デバッグ:故障の基となる欠陥を見つける、解析する、取り除く一連の開発活動のこと
□1.2テストの必要性
こちらでは、テストの必要性、品質保証とテストの違い、エラー/欠陥/故障の違いについて記述されています。
特にエラー/欠陥/故障の違いについては、よく試験に出題される内容となっていますので、きちんと理解しておくことが必要です。
・エラー:人がおかすもの。(野球を例えるとわかりやすいと思います)
・欠陥:エラーにより発生するもの(バグ、フォールトと呼ばれる)
・故障:コードに含まれる欠陥によりプログラムが起こすもの(コード以外にも、様々な要因で発生する場合もあり)
□1.3テストの7原則
テストの7原則についても、恒例のように試験に出題されるので、各原則の内容は押さえておく必要があります。
1.テストは欠陥があることは示せるが、欠陥がないことは示せない
2.全数テストは不可能
3.早期テストで時間とコストを節約
4.欠陥の偏在
5.殺虫剤のパラドックスにご用心
6.テストは状況次第
7.「バグゼロ」の落とし穴
個人的に、テスト業務で重要と思われるのは以下です。
3.早期テストで時間とコストを節約
開発初期からテストを行うことで、重大な問題などをつぶすことができ、原則通り、時間、コストの節約につながります。
4.欠陥の偏在
保守リリースなど、一部の機能をリリースした際、その部分に欠陥が偏在する傾向があるため、それを予測し対応するのが望ましいと考えます。
5.殺虫剤のパラドックスにご用心
主に、リリース毎のテストで、同じ観点のテストを繰り返し行っても、欠陥は見つけられない傾向があります。
そういった場合は、テストケースを定期的に変動させ、テストの質を高める必要があります。
7.「バグゼロ」の落とし穴
用意したテストケースの結果がOKだったとしても、それがバグが一切無しとは限りません。テストケース以外のランダムテスト、
モンキーテストを行い、不具合が見つかるかもしれません。
また、バグ発生しなかったとしても、ソフトウェアを利用するユーザーのニーズやユーザビリティが悪いと、良いソフトウェアとは呼べないでしょう。
□1.4テストプロセス
プロジェクト規模、状況、スケジュールなどによって、テストプロセスを定めることや、テスト活動のタスクについて記述されています。
テストタスクは以下のように分かれています。
・テスト計画
・テストのモニタリングとコントロール
・テスト分析
・テスト設計
・テスト実装
・テスト実行
・テスト完了
納期が短いプロジェクトや、テストの重要性を考慮されていないプロジェクトでは、テストのモニタリングやコントロール、テスト分析、テスト完了などが行われずに、テスト設計、テスト実行のみで終わるパターンがあります。
その場合、対象のソフトウェアの品質や、次のプロジェクトに経験を活かせず、同じ問題でつまずく傾向があります。
テスト管理者、テスト担当者はもちろん、プロジェクトマネージャー、プロジェクト関係者も、テストのプロセスについて十分理解をしておく必要があると私は考えています。
□1.5テストの心理学
こちらでは、人の心理、マインドセットなどが記述されています。
ざっくりではありますが、テスト担当者やテスト管理者と、プロジェクトのマネージャー、開発者、設計者などメンバー間のコミュニケーション、意思疎通の重要性がまとめられています。
■最後に
いかがでしたでしょうか。
JSTQB Foundationの概要、資格試験、シラバス「1.テストの基礎」の重要ポイントを私なりにまとめてみました。
JSTQB Foundationの内容は、テスト担当者、テスト管理者の他、ソフトウェア開発に従事されている方など、幅広く知見を深めることができると私は考えております。
JSTQB Foundationの資格試験を受けずとも、業務に活かせるノウハウが多くまとまっています。
この記事を見て、少しでも興味を持ってくださった方がいれば幸いです。
最後まで見ていただき、ありがとうございました。
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ソフトウェアテスト教科書 JSTQB Foundation 第4版 シラバス2018対応