皆さん、こんにちは。
今回からテスト自動化のノーコード/ローコード/E2Eテストについて紹介していきたいと思います。
■記事内リンク
5.当ブログで紹介するノーコード/ローコード/E2Eテストツール
1.ノーコード/ローコード/E2Eテストツールについて
◇ノーコード/ローコード/E2Eテストツールが注目されてきている背景
テスト自動化ツールにおいて、ここ数年で日本国内でもノーコード、ローコード、E2Eのテストツールが話題になってきました。
中でも、2019年に「Autify」が正式にリリースされ、国内の大手企業、および中小企業でもノーコード、ローコードのテスト自動化ツールの導入が増えていきました。
これらが注目されてきている背景としましては、ソフトウェアサービス継続的に更新され、それに伴いソフトウェア開発もウォーターフォールからアジャイル開発へ移行したことによるものだと思います。
例として、ソーシャルゲームがわかりやすいと思います。
ゲーム自体のソフトウェア、アプリは無料でインストール、ゲームをプレイすることができますが、週ごと、一定期間ごとにイベントを実施し、限定のアイテムやガチャといったものを実装しています。
それに伴い、ソフトウェアの更新も行う必要があり、従来の数か月、半年、1年などの期間でリリースを行っていたウォーターフォール開発では、手が回らなくなる、またはユーザーからのニーズに対して、対応できなくなるといったことが挙げられます。
そのため、ソフトウェアの開発、ソフトウェアテスト、リリースは短い期間で対応する必要があります。
Seleniumなど、Webのテスト自動化、Appiumのアプリ自動化などは従来のウォーターフォール開発等では、十分な期間を設けて行うことができたと思います。
しかし、アジャイル開発では、短期間でのテスト計画、テスト設計、テスト実施の中で、テスト自動化コードを設計し、自動化を実施するのは、とても大変な作業になると考えます。
専門のテスト自動化チームを設けている大手企業や、第三者検証会社に依頼するとケースはあると思いますが、その場合でも短期間のテスト対応は難しいと思います。
理由としては、ソフトウェアの追加機能の他、UIや画面ががらりと変わった場合、テスト自動化のコードメンテナンスに時間がとられてしまうからです。
これらの課題に対して、解決、対応するツールとして、ノーコード、ローコード開発及びテストツールが挙げられます。
ノーコード、ローコード開発では、SalsefoceなどSaaSモデルを利用し、それをもとにソフトウェア開発を行うことができます。
一から環境を整える必要がなく、またWebベースで開発することができます。
テストツールも、ノーコード、ローコードの他、E2Eと呼ばれるものもあります。
まずはこれらの特徴を見ていきたいと思います。
◇ノーコードテストツール
ノーコードは、名前の通り、テストコードを記述せずに、利用できるテストツールです。
Webなど、一連の操作を録画し、テストシナリオとして設定したり、テストツール上で、あらかじめ用意されている要素やパーツなどを組み合わせて、テストシナリオを作成していくパターンなどあります。
テストコードを書かなくてもよいため、開発経験やコード作成の経験が無い場合でも、利用することが可能です。
◇ローコードテストツール
ローコードは、こちらも名前の通り、テストコードをなるべく書かなくても、UI操作などでテストケースを設計できるツールです。
ノーコードのように、一連の操作を録画したり、UI操作で大枠のテストケースを作成し、細々としたものは、コードを編集したりすることができます。
ノーコードよりも、コードを書く負担がありますが、その分柔軟なテストコードを作成することができます。
開発経験やコードの作成経験があった方が利用しやすいテストツールとなります。
◇E2Eテストツール
E2E(エンドツーエンド)テストツールは、エンドユーザーがソフトウェアを利用する場合の観点で、テストシナリオをシミュミレートします。
エンドユーザーがソフトウェアを利用する観点で、テストシナリオを作成できるので、システムテストレベル以上の際に利用できるテストツールとなります。
アジャイル開発において、「エピック」または「ユーザーストーリー」レベルの内容がソフトウェアに実装されていることを確認する際に有効なテストツールではないかと思います。
そのため、ソフトウェアのUI操作がベースとなりますので、ノーコード寄りのテストツールだと思います。
2.従来のテスト自動化ツールとの違い
◇従来型(第一世代/第二世代)
従来のテスト自動化ツールとしては、SeleniumやAppiumなどが挙げられます。
これらの主な共通点は、テスト環境を構築し、コードを一から作成する必要がありました。
そのため、ある程度の開発知識、コードを書ける技術が必要です。
アジャイル開発が支流になりつつあるソフトウェア開発においては、従来型のテスト自動化ツールの運用は難しくなっていくと思います。
◇第三世代
Autifyをはじめとしたローコード、ノーコード、E2Eテストツールが該当します。
テスト環境は一から設定することはなく、SaaSモデルとなっています。
コードも最低限書くことでテストケースを作成でき、テスト実施では、ダッシュボード等でレポートも確認することができます。
環境構築の手間や、コード記述の手間が省けるため、開発サイクルが短いアジャイル開発に適したツールであると思います。
3.ノーコード/ローコードツール/E2Eテストツールの紹介
ノーコード、ローコード、E2Eテストツールの代表的なツールをご紹介したいと思います。
◇Autify
「Autify」は国内で、もっとも有名で大手企業から中小企業までに導入されているノーコードツールです。
Webのテスト自動化として注目されていましたが、昨年あたりからモバイルも対応されました。
また、特徴として、AIによる自動補正があり、対象画面の要素が変更された場合でも、テストケースやコードを修正する必要がありません。
年々導入企業が増えてきていますので、使いやすく、アジャイル開発においても導入しやすいツールなのではないかと思います。
◇Mabl
「Mabl」は、海外企業のMabl社がサービス運用していますが、今年の6月、7月ごろに日本語ローカライズ対応されたローコードツールです。
海外で人気があり、日本国内でも導入する企業が増えてきたと思います。
こちらもAutifyと似たようなAiによるコード修正となる「オートヒーリング」機能が備わっており、コードやテストケースのメンテナンス時間を押さえることができます。
◇Magic Pod
https://magicpod.com/
「Magic pod」は2017年ごろにサービス提供されたAIテスト自動化プラットフォームです。
Autifyよりも前にサービス提供されており、ブラウザ、モバイルのプラットフォームに対応しています。
こちらも、AIによる自動修復機能が実装されており、またスクリプトコードを作成もAIがサポートしてくれる機能も実装されています。
◇T-DASH
「T-DASH」は、バルテス社が今年2月ごろにサービス提供された新しいローコードツールです。
Autify、Mabl、Magic PodのようなAIによるテストコードの補正機能はありませんが、特徴的なのがフリープラン、およびスタンダードプランが用意されており、他のツールよりも約1/10のコストで利用することができます。
4.ノーコード/ローコードE2Eテストツール比較
私個人の見解ではありますが、Autify、Mabl、Magic Pod、T-Dashをそれぞれ比較してみました。
・ツール名 | Autify | Mabl | Magic Pod | T-DASH |
・タイプ | ノーコード | ローコード | ローコード | ローコード |
・PCブラウザ | クロスブラウザ対応 | クロスブラウザ対応 | クロスブラウザ対応 | クロスブラウザ対応 |
・Mobileブラウザ | クロスブラウザ対応 | クロスブラウザ対応 | クロスブラウザ対応 | ※1 |
・AI修復機能 | 対応 | 対応 | 対応 | 対応 |
・無料プラン | 14日間あり | 14日間あり | あり (期間不明) | あり (期間制限なし) |
・有料プラン | Advance/Enterprise | 問い合わせ | スタンダード ¥39,800/月~ エンタープライズ 要相談 | スタンダード \3,960/月 エンタープライズ 問い合わせ |
・主な製品特徴 | ・レコーダー機能 ・並列実行 ・ビジュアルリグレッション機能 | ・APIテスト ・データ駆動型 | ・二段階認証対応 ・画像差分チェック | ・画面、動作定義 ・データドリブン |
※1 2022下期対応予定
各ツールの公式サイトを調べてわかったことですが、モバイルのネイティブアプリの対応は、いずれもまだのようです。
今後に期待ですね。
5.当ブログで紹介するノーコード/ローコード/E2Eテストツール
当ブログでは、今後数回にわたって、「T-DASH」についてご紹介していきたいと思います。
それは、2点理由があります。
1点目は、コストが断然安いからです。
無料版もあり、スタンダード版でも月々4,000円以内で利用することができます。
私個人も、ローコードのテストツールに触れてみたいと思い、5月末あたりから契約をしています。
2点目は、今後の拡張性に期待しているからです。
Autify、Mabl、Magic Pod、T-Dashの中で、唯一、第三者検証会社がローコードツールをサービス提供しています。
他の3社はソフトウェアツールを提供している企業です。
ソフトウェアテストを実際にサービス対応、および第一線で活躍されているバルテス社は、テスト担当者、テスト管理者と同じ目線に立ってサービス提供してくれると私は思っています。
そのため、ソフトウェアテスト業務に携わっている私たちの”思い”に対応してくれると思っています。
T-Dashのロードマップでは、今後の展望もいくつか予定されていますので、期待しています。
上記2点により、次週から「T-Dash」について、ご紹介していきたいと思います。
□最後に
以上、ノーコード/ローコード/E2Eテストツールについてご紹介致しました。
次回から定期的にT-DASHについて、ご紹介していきたいと思います。
最後まで読んで頂きありがとうございました。
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