初めに
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テスト分析、テスト計画とAIで効率化してきましたけど、次はテスト設計ですよね。
観点を整理して、ケースに落とし込んで……正直、一番時間がかかる工程です。



そうですね。テスト設計もAIで大きく時間を減らせました。
ただ、良いことばかりではありませんでした。
今回はメリットだけでなく、デメリットとその対処もまとめて紹介します。
この記事は、AIテストサイクルシリーズの3本目です。
分析・計画に続き、「テスト設計」をAIで効率化した方法を紹介します。
- 従来の手動によるテスト設計と、AI活用後の違い
- AIを活用したテスト設計のメリット・デメリット
- デメリットへの対処(3ステップに分ける工夫)
- そのまま使えるテスト設計のプロンプト例
従来の手動によるテスト設計
AIを使う前のテスト設計は、すべて手作業でした。
- テストのたびに、観点を一から整理する必要があった
- 型(テンプレート)を作って、それなりに効率化はしていた。
手順は同じにして、観点と条件だけを変えて設計しやすくしていた。 - 時間はかかるが、観点を自分で整理しながら設計するので、ケースの内容は理解しやすかった。
時間はかかるけど、自分で考えた分だけ中身は頭に入っている、ということですね。



そうなんです。
この「理解しやすさ」が、AIを使うと逆に課題になります。
それは後のデメリットで話しますね。
AIを活用したメリット
AIを活用して、テスト設計の作業部分の手間が大きく減りました。
- すべてを自分で設計する手間が減った
観点の整理からケースへの落とし込みまで、作業部分をAIに任せられるようになりました。 - 機能仕様とテストケースのトレーサビリティをつけやすくなった
手間が減った分、「このケースは仕様のどこを確認しているか」を対応づける余裕が生まれました。 - 自分では思いつかないテスト観点が出てくる
良い意味で、自分の発想の外にある観点をAIが挙げてくれるようになりました。
トレーサビリティまで手が回るようになったのは大きいですね。



時間が浮いた分を、品質を上げる作業に回せるのが一番のメリットだと思います。
AIを活用したデメリットと対処
AI活用にはデメリットもありました。2つの課題と、それぞれの対処を紹介します。
| デメリット | 対処 |
|---|---|
| 一から書いていないので、ケースの内容を理解するのに時間がかかる | Claudeの「デザイン」機能でイメージ図を作り、視覚的に理解しやすくした |
| 資料を一度に渡すとコンテキストが過多になり、トークンを大量に消費して使用上限を超える | 「インプット → 観点の書き出し → テスト仕様書への反映」の3ステップに分けた |
デメリット1:ケースの内容を理解するのに時間がかかる
テストタイプやテストレベルに沿った観点はAIに渡しています。
それでも、ケースを自分で一から書いていないため、内容を理解するのに時間がかかるようになりました。
従来の手動設計で得られていた「理解しやすさ」が、AIでは失われるということです。
対処: 文字だけでは理解しづらいので、Claudeの「デザイン」機能を使ってイメージ図を作成し、視覚的に理解できるよう工夫しました。
デメリット2:コンテキスト過多で使用上限を超える
テスト観点の資料やインプット情報を一度にまとめて渡すと、コンテキストが過多になります。
その結果トークンを大量に消費し、使用上限を超えるケースがありました。
対処: 作業を「3つのステップ」に分けました。
- インプット資料の確認
- テスト観点の書き出し
- 観点を記載ルールに沿ってテスト仕様書に反映
一度に全部頼むより、段階を踏んだ方がうまくいくんですね。



分析編でも「1要素ずつ依頼する」と書いたけど、設計でも同じでした。この3ステップを、次のプロンプト例にそのまま組み込んでいます。
テスト設計の実践プロンプト(3ステップ)
デメリット2の対処で紹介した3ステップを、そのまま組み込んだプロンプトです。
【 】の部分を自分の環境に合わせて書き換えて使ってください。
使う前の準備:
- クラウド上の資料は、事前に「コネクタ」で接続しておくとリンクだけで読み込めます。
- テスト仕様書には、観点・手順・条件・期待結果・実施結果の列をあらかじめ用意しておきます。
必要に応じて、表紙や集計シートのテンプレートも用意します。 - Step1〜3は、1通ずつ分けて送っても構いません。
あなたは、ISTQB/JSTQBのテストアナリストの資格保持者で、QAやテスト業務に携わっているベテランのQA・テストエンジニアです。
「機能AB(仮名)」という機能を開発しています。
こちらは、既存機能「機能A」の追加実装となる機能です。
以下のステップで、インプット資料の確認、観点の洗い出し、テスト仕様書への反映をお願いします。
Stepごとに実施し、各Stepが終わったら、そこで止まって私の確認を待ってください。
◯Step1:インプット資料の確認
以下の資料を確認し、内容を要約してください。
・既存機能Aの資料:【資料を添付、またはファイルのリンク】
・機能AB(仮名)の資料・チケット:【チケットのリンク】
・テスト仕様書:【テンプレートを添付】
◯Step2:観点の洗い出し
機能ABに関するテスト観点を洗い出してください。
インプット資料をもとに、以下の観点も含めて洗い出しをお願いします。
「カテゴリ:表示確認」
・機能ABに関する画面レイアウト確認
・機能ABに関する画面内テキスト・ボタンなどの表示確認
「カテゴリ:機能動作確認」
・機能ABの動的なテストパターン
・ボタン操作
・リンク・選択操作
・ダイアログ表示操作
「カテゴリ:入力確認」
・入力項目がある場合は、各パターンを確認
・境界値
・同値分割
・最小値〜最大値入力
・正常値入力、異常値入力
「カテゴリ:状態・状態遷移確認」
・ステータス値がある場合は、各ステータス・状態値の確認
・既存機能Aとの影響部分の確認
洗い出し時は、テスト観点をカテゴリごとに表示してください。
◯Step3:テスト仕様書への反映
洗い出したテスト観点をテスト仕様書に反映してください。
テスト観点を記載後、操作手順、条件、期待結果、トレーサビリティを反映してください。
【テスト仕様書ケースシート】
・テスト仕様書ケースは、基本的にメインOSで実施します。
・必要に応じて、サブOSのシートを追加します。
「テスト観点」
Step2で洗い出した内容を、以下のように記載します。
・大項目:機能または画面名を記載
・中項目:テスト観点のパターンを記載
・小項目:大項目、中項目に沿って実際に操作する内容を記載
「条件」
テストを行ううえでの条件を記載します。
例:入力項目が未入力の場合など
「操作手順」
操作手順は、固定のパターンで構いません。
操作の中身は大・中・小項目と条件に持たせ、手順欄を定型にすることで、ケース数が増えても書式が崩れず、手順の書き直しやブレがなくなります。
1.大項目を確認する
2.中項目を確認する
3.条件を確認する
4.大項目、中項目、条件内容をもとに、小項目を実施する
「期待結果」
インプット資料、テスト観点をもとに、期待される結果を記載します。
インプット資料に根拠がない期待結果は推測で書かず、「要確認」と記載してください。
「トレーサビリティ」
インプット資料の何を参考にしたのかを記載します。
【テスト仕様書その他のシート】
「表紙」
・テスト対象のチケット、機能を明記します。
・テスト設計者、テスト担当者を明記します。
「集計」
・テスト仕様書ケースごとに、テスト結果を集計します。
・テスト仕様書ケースは、メインOS、サブOSの名称を記載し、集計します。
期待結果に根拠がないときは「要確認」にするのが良いですね。
AIがもっともらしく書いてしまうのを防げます。



「トレーサビリティ」列とセットで使うと、レビューのときに根拠をたどりやすくなりますね。
まとめ
AIを活用したテスト設計には、メリットだけでなくデメリットもあります。
- メリット:設計の手間が減り、トレーサビリティをつける余裕が生まれ、自分にない観点も得られる。
- デメリット:ケースの理解に時間がかかる、コンテキスト過多で使用上限を超えることがある。
- 対処:イメージ図で理解を補い、作業を3ステップに分ける。
一度仕組みを作って終わりではなく、AIを活用しながら業務に合わせて最適化を続けていくことが大切です。
次はいよいよテスト実施ですね。



次回は「Playwright」と「Claude」を使って、テストの実施を自動化していきます!
今回のAIを活用したテスト設計の体験談は、note記事にまとめています。
▼note記事タイトル:AI活用でのテスト設計で変わったこと


また、ブログ・noteを視覚的に要約をまとめたものをYouTube動画に投稿予定です。
どちらも、よろしくお願いします!
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お知らせ:
Unityで開発中のクイズアプリを題材に、テスト設計の通しの実例(インプット → AIの出力 → ヒトの修正)を、12月に有料noteで公開する予定です。
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最後に
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